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 写真だより 佐渡発 

 佐渡の野草や風景を写真で綴るブログです

盛夏に咲くユリ5 タカサゴユリ  

少し間が空きましたが、盛夏に咲くユリの第5弾をお届けします。


タカサゴユリ(高砂百合) -ユリ科-

早いものは盛夏から咲きますが、この花の見ごろは秋を感じる二十四節気『処暑』のころ。



25日付の新潟日報にこんな記事が載っていました。

堀口大学ゆかりのタカサゴユリ見頃 原黒のホテル
佐渡市原黒の「ホテルニュー桂」で、詩人・翻訳家の堀口大学(1892~1981)ゆかりのタカサゴユリが見頃を迎えている。ホテルのおかみ渡辺てるみさん(60)の父・故佐藤茂樹さんが、堀口から種をもらい育てたユリの子孫で、白く清らかな花が観光客を迎えている。

 堀口は東京生まれ、長岡育ち。フランス近代象徴詩を日本に紹介し、自らも多くの創作詩を残した。佐藤さんは生前、等弥(とみ)神社(奈良県桜井市)の宮司を務めており、堀口の旧友の作家・佐藤春夫の句碑が境内にあった縁で堀口と交流していた。

 佐藤さんが1974年に神奈川県の堀口宅を訪ねたところ、ユリの種をもらった。神社に持ち帰り、大切に育てて増やした。30年ほど前、娘の渡辺さんが佐渡へ嫁いだ後、佐藤さんは「堀口ゆかりの地である新潟でもユリを育ててほしい」と、種を毎年送ってきたという。

 渡辺さんは、ホテルの庭に種を植えるなどして少しずつ増やし、現在約50本を栽培している。「訪れた人が不思議な縁のあるユリの花を見て、堀口に関心を持ってもらえたらうれしい」と話している。




佐渡にいつ頃タカサゴユリが入ってきたのかわかりませんが
このホテルの庭に限らずたくさん見かけます。
そのどれもが、人家の庭かその周辺で見られ
はじめは人為的に植えられたもののように思われます。
その多くは庭の片隅や生垣の間、石垣の隙間などで
決して庭の主役ではないのです。
たくましい生命力で勝手に繁殖してきたのでしょう。
庭にあるからといって取り立てて世話をするわけでもなく
かと言って、草刈りのときは刈らずに残される。
ある意味自由気ままに咲き継いできたのでしょう。

新聞記事にある堀口大学ゆかりのタカサゴユリが増えたものなのか
それ以前にすでに佐渡にあったものなのかはわかりませんが
ニュー桂に比較的近い私の住む集落やその周辺では多く見られます。
(日本へは1924年に入ってきたとされます)


こんな感じで咲いています。
タカサゴユリ1




生垣の間から伸びて花を咲かせたもの。
タカサゴユリ5




背丈以上も伸びたものを見上げるようにして撮影。
テッポウユリとよく似ていますがテッポウユリより大型
タカサゴユリ3





タカサゴユリ2




花に赤紫色の筋が入るのが特徴(テッポウユリは筋が入らない)
タカサゴユリ4
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マルバキンレイカ  

マルバキンレイカ(円葉金鈴花) -オミナエシ科-

オミナエシの仲間がどれも葉が深く切れ込み
外見上はハクサンオミナエシによく似ていますが
これに比べると葉の切れ込みが浅いのでマルバと名付けられたようですが
円い葉を想像すると当てが外れます。

新潟県以北から北海道に分布し、山地の草原、湿原、岩礫地などに生育します。
佐渡では大佐渡の尾根付近の砂礫地や草原、わずかながら小佐渡の山中でも見られます。

マルバキンレイカ




マルバキンレイカ1





マルバキンレイカ2





マルバキンレイカ3

ナツエビネ  

ナツエビネ(夏海老根) -ラン科-

ここのところ多忙な日が続き、今日は久々の完全フリー。
家でゆっくりとひと休みと決め込んでいたのですが
予報に反して雨が降る気配がないので
これといったあてがあったわけではないのですが
撮影に出かけることにしました。

近場の林道に車を走らせても、これといった被写体は見つからず
雨が降り出しそうになったので
Uターンして帰途に就くことにしました。
それでもいつもの習性で、ゆっくりと車を走らせていると
見慣れぬ花が左側をかすめ、通り過ぎて車を停めました。

頭の図鑑を猛スピードでめくり、ヒットした花はひとつ。

まさか という疑いと
もしや という期待と

車を降りて後戻りすると なんとナツエビネ !
ヒットした花です。

林道脇に咲いているなんて思ってもみなかったこと。Amazing !!

しかも、これが初めての出逢い。


エビネの仲間で夏に咲くのでナツエビネ。
淡い赤紫色の花が涼し気でいい。

ナツエビネ1





ナツエビネ2





ナツエビネ3


環境省レッドリスト 絶滅危惧Ⅱ類



ウィキペディアによれば

園芸店などで全国的に販売されるが、暑さと湿度不足を嫌い、植物ウイルスの感染にも弱いので健全な状態で長期栽培することは難しい。関東以南の平低地・市街地では生きていても高温障害のため落蕾して観賞できない場合も多い。一般的には一時的・消費的な栽培しかできないためエビネ類の中では園芸的評価は低く、人工増殖しても採算が合わないことから野生採取個体が流通している。

とあります。
下線部の意味は
野生種を盗掘して売りに出されているということ。つまり、絶滅の危機に瀕する植物をせっせと採取して
野草愛好家と称される人が買い求め、一時的に楽しんだ後個体は枯れていくということの繰り返し。
一見、山野草を愛好しているように見えて実は野山から貴重な野草を積極的に絶滅に追い込もうとしている。
と言ったら言い過ぎでしょうか?
野山から直接採取された貴重な山野草を購入する行為は是非考えていただきたいと切に思います。

カワラナデシコ  

カワラナデシコ(河原撫子) -ナデシコ科-

河原と名が付きながら、私は河原で見かけたことはありません。
これはもしかするとカワラナデシコが生育できるような河原が少なくなっているのが一因かもしれません。
河原に限らず、海岸付近から結構高い山まで見られます。
少し人の手が入った日当たりのよい草原が好みのようです。

秋の七草のひとつで大和撫子として日本女性をこれに喩えます。
細かい切れ込みのあるピンク色の花は可憐でいて結構強さも秘めています。

カワラナデシコ1





カワラナデシコ2





カワラナデシコ3





カワラナデシコ4






話はがらりと変わり、
佐渡沖で採取されていたナマコが、2014年新種と判明し「サドナデシコナマコ」と命名されました。
全体がピンク色やだいだい色で口の周りに10本の触手があるのが特徴だそうです。
この画像からナデシコを連想するのは無理がある様な気がしますが・・・

サドナデシコナマコ
サドナデシオナマコ

ナツズイセン  

ナツズイセン(夏水仙) -ヒガンバナ科-

立秋を過ぎてからヒガンバナに似た花を咲かせます。
(少し紹介するのが遅くなりました。今はもうほとんど枯れています。)
花が枯れた後から翌春まで葉を出しますがその後枯れて花の時に葉はありません。
この点も彼岸花によく似ています。
古い時代に中国から渡来した帰化植物のようで
近くに人家があるような場所、田の畦など人の生活を感じるような場所に生育します。
また、庭に植えられているのも見かけます。
この点も彼岸花に似ていますが、彼岸花の方は庭に植えられているのを見ることはほとんどありません。
これは、彼岸花に異名が多く、その多くが死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)など
不吉で忌み嫌われる名であることが一因として考えられます。

ナツ(夏)の名は、秋彼岸ころに咲くヒガンバナに対するものだと思いますが、
この花が咲くと盛夏は過ぎてそろそろ秋の気配が感じられるようになります。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行)



田の畦に一列に咲いていました。おそらく近年人為的に植えられたものでしょうが
先にも紹介したようにいずれの時期に人為的に植えられたものだと考えられます。
ナツズイセン1





ナツズイセン2





ナツズイセン3





ナツズイセン4





ナツズイセン5

エチゴトラノオ  

エチゴトラノオ(越後虎の尾) -オオバコ科-


北陸から東北にかけて、日本海側の海岸に近いところに分布する植物で
新潟県では準絶滅危惧種に指定されている比較的めずらしい植物ですが
佐渡では海岸沿いの道を注意しながら走ると時折目に留まります。

佐渡に来て初めてこの花を見た時、こんな海岸にクガイソウが咲くのだろうかと不思議に思い、
車を降りて確認したところ、この花でした。もちろんそのときが初対面です。
今回はこの花を目指して撮影に出かけたわけではないのですが
撮影の帰りに海岸線を走っていて、目に留まったものですぐにエチゴトラノオだとわかりました。
今まで見つけていたいくつかの場所と違う場所だったので佐渡ではまだ比較的多くあるのだと思いますが
油断大敵、大敵は気候変動など環境の変化もありますが
なんと言っても一番の大敵は人間です。私も人間の一人なので
エチゴトラノオの機嫌を損なわぬよう、見守っていきたいと思います。

花穂はクガイソウに似ていますが、葉の付き方や形が違い、
エチゴトラノオの葉は肉厚で光沢があります。
稀にシラゲエチゴトラノオという葉に毛が多く光沢のない種もあるようですが
私はまだそれを見たことはありません。

エチゴトラノオ1





エチゴトラノオ2





エチゴトラノオ3

ヘクソカズラ  

秋に咲く蔓植物の第3弾

ヘクソカズラ(屁糞蔓) 別名:ヤイトバナ(灸花) サオトメカズラ(早乙女蔓) -アカネ科-


ヘクソカズラの名は葉や茎を揉んだりちぎったりすると嫌な臭いがするから
ヤイトバナの名は花の中心の臙脂色をお灸の痕(または火)に見立てて
サオトメカズラの名は花を早乙女がかぶる笠に見立てて
それぞれ付けられた名まえですが、標準和名(図鑑に掲載される名)はヘクソカズラ

臭うと言ってもそれほど強烈ではないのに、どうしてこれを標準和名にしたのでしょうね。

この花で思い出されるのは有川浩さんの小説『植物図鑑』
本屋でこの本を目にし、
本物の植物図鑑でないことは知りつつも
タイトルに誘われて思わず買ってしまった私です。

内容は恋愛小説
この小説の目次を見るとすべての章のタイトルが野草の名になっていて
冒頭の部分に出てくるのがヘクソカズラ。
そこでもこの名まえのことについて触れられています。
スミレやレンゲなどと同様にどこでも見られるのにマイナーな植物であること
名前そのものに強烈なインパクトがあること・・・
冒頭にこの植物を登場させたことに作者の意図を感じます。


ヘクソカズラ





絡む木が無くて地を這っているヘクソカズラ
ヘクソカズラ1




この臙脂色(くすんだ赤色)が灸(ヤイト)の痕
私も子どものころお灸をすえられたことがありますが
若い人で、お灸を据えるという言葉の本来の意味を
自分の肌身で感じて知っている人は少ないでしょうね。
ヘクソカズラ2






青紫色の花に絡みついていました。さて何の花でしょう?
答えは明日のブログで紹介します。
ヘクソカズラ3

ボタンヅル  

秋に咲く蔓植物の第2弾
ボタンヅル(牡丹蔓) -キンポウゲ科-


山野の日当たりのよい草原や林縁などで小低木や草に絡んでいるのをよく見かけます。
時には絡むものが無くて地を這っていたり、フェンスに絡んでいたりします。

同じキンポウゲ科で蔓植物のセンニンソウ(後日紹介)によく似ていますが
ボタンヅルの名の通り牡丹に似た切れ込みのある葉をしているのに対して
センニンソウは長楕円形で切れ込みのない全縁の葉なので区別できます。
葉を見なくても遠目からでも区別できるようになればかなりの野草通です。


花弁のように見える白い4枚は萼片で、キンポウゲ科の植物ではよく見られる特徴です。
ボタンヅル1




絡むものが無くて地を這っているボタンヅル
ボタンヅル2






木に絡んだボタンヅルがきれいに弧を描くように垂れ下がって風になびいていました。
この木にはアケビも絡んでいて木にとっては大変迷惑な話でしょう。
ボタンヅル3

ヤマハハコ  

ヤマハハコ(山母子) 佐渡名 ヤマホオコ  -キク科-

標準和名はヤマハハコですが『佐渡の花 携帯版』にはヤマホオコの名で載っています。
茎全体に毛が密集していて、花の周りの花弁状の総苞片も白いので全体に白っぽく見えます。

ドンデンの芝草原に咲いていたもの
ヤマハハコ1





尻立山山頂付近に咲いていたもの
ヤマハハコ2







黄色いところが花で周りの白いところは総苞片と呼ばれます。
すぐに茶色くなってしまうので、このようにきれいな花を見つけるとうれしくなります。
ヤマハハコ4





ベニシジミがやってきました。
とてもサービスのよい個体で、レンズの先が蝶まで10㎝ほどまで近づいても
平気で蜜を吸い続けていました。
ヤマハハコ3







ベニシジミに負けず劣らずサービスのよい蝶がいたので紹介します。
クジャクチョウです。いつもは近づくとすぐに逃げてしまうのに
この個体は何枚も撮影させてくれました。

翅を閉じていると黒っぽくて地味なチョウです。
クジャクチョウ2




ところが、翅を開くと目玉のような派手な模様が現れます。
これは、鳥などの天敵を威嚇する効果があるのではないかと思います。
この模様をクジャク♂の飾り羽根の模様に見立てた名まえです。
クジャクチョウ1

マツムシソウ  

マツムシソウ(松虫草) -マツムシソウ科-

マツムシが鳴く頃に咲くからマツムシソウ
マツムシって唱歌『虫のこえ』ではチンチロ チンチロ チンチロリンと鳴くやつですが
あまりポピュラーではありません。
おそらく、マツムシに限定したのではなく秋の虫が鳴き始めるころということでしょう。
気が付けば、秋の虫の声を聴きながら眠りにつくようになっている今日この頃。



佐渡では妙見山周辺に多く、ドンデン辺りでは見たことがありません。
逆に、ヤマハハコ(佐渡名=ヤマホオコ)はドンデン辺りでは見るのに妙見山では見ません。
似たような環境なのに一体どういう訳なのでしょう。
これはとても不思議です。


マツムシソウの見事な群生(妙見山)
マツムシソウ1





ザレ場の群生は少しまばらで丈が低い
マツムシソウ3





マツムシソウ2





この個体は15㎝ほどの丈でした。
佐渡のマツムシソウは全体的に丈が低く花が大きいのでタカネマツムシソウとする説もあります。
マツムシソウ4





不揃いな花弁が何とも愛らしい。
マツムシソウ5

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