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 写真だより 佐渡発 

 佐渡の野草や風景を写真で綴るブログです

ヤクシソウ  

ヤクシソウ(薬師草) -キク科-



いがりまさし著『日本の野菊』にはこのヤクシソウは載っていません。
そもそも野菊とは何かということですが、明確な規定はなくあくまでも
イメージの世界なので、人それぞれで違います。キク科であっても
タンポポやアザミ、ハハコグサ、ヨモギ、ヒマワリを野菊という人は
いないでしょう。ではヤクシソウはどうかというと、私のイメージでは
野菊の範疇には含まれません。さてあなたはどう判断されますか?


丈は1m以上になることもありますが茎が寝て高くなりません。
ヤクシソウ1



花は菊というよりニガナやオニタビラコに近いイメージ
ヤクシソウ2




アップはなかなか美しいですね!
ヤクシソウ3



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ハマベノギク  


ゴマナ、ノコンギク、タマバシロヨメナ、
ヒガンバナを挟みシラヤマギクと野菊
を続けてきたので、今回も野菊の写真
をお届けしたいと思います。


ハマベノギク(浜辺野菊) -キク科-

名まえの通り浜辺に咲く野菊です。
手元の図鑑では『北陸地方西部から
九州にかけて分布する海岸の野菊』
とあり、佐渡での分布が確認された
のは、2013年のことです。
佐渡に来て5年目にして初めて撮影
できました。感動と共にお届けします。



砂浜に群生するハマベノギク
ハマベノギク3




砂地を這うように広がって花を咲かせます。
ハマベノギク5



「このようにして咲きますよ!」と、教えるように並んだ花
ハマベノギク4



深く切れ込んだカワラヨモギの葉の間から顔を出したハマベノギク
ハマベノギク1



頭花は5㎝ほどあり大きく見栄えします。
ハマベノギク2



白花もありましたよ
ハマベノギク 白花



シラヤマギク  

シラヤマギク(白山菊) -キク科-


独特の雰囲気を持った野菊です。
葉が一般的な菊のように深く切れ込んでいないことが
見慣れた野菊と違った印象を与えるのでしょうか。
シラヤマギク1



歯が抜けたように数枚まばらに付く舌状花が
独特の雰囲気を醸し出しているのでしょうか。
シラヤマギク2

不揃いな頭花は見栄えはしませんが
これがシラヤマギクらしさで、愛着が湧きます。



シロヨメナの別名をヤマシロギク(山白菊)と言い、
これがイナカギクの別名でもあるので紛らわしいです。



ヒガンバナ  

ヒガンバナ(彼岸花) -ユリ科-


秋の彼岸に因んでヒガンバナをお届けします。

毎年、その日を知っているかのように咲く彼岸花。
彼岸とは此岸(穢土、この世)に対する言葉で浄土、あの世を意味します。

天の赤道(地球の赤道を垂直に空に伸ばして天球につきあたった場所)と、
天の黄道(太陽が一年かけて移動していくルート)は、地球の自転軸の傾き
の分だけずれています。一年に2回だけ交わるときがあり、それがすなわち
春分と秋分(=春の彼岸と秋の彼岸)というわけです。
この二箇所は、この世(此岸)とあの世(彼岸)に通じる門と考えられ、
この世にありながらあの世と接続できる、と信じられてきたのです。

だから、彼岸に墓参りすればなくなった先祖に逢えるということで
皆さんお墓参りをするんですね。(知ってなくてもお参りするけど)


彼岸花は各地に別名があり、その数、一説には千を超えると言われます。
死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)など
不祝儀な花、不吉な花、忌まわしい花をイメージする名が多いようですが、
これはヒガンバナが墓地によく咲いていることから名付けられたようです。
花が完全に終わってから葉が伸びるため、花と葉が出逢うことがないと
いうことや、彼岸が終わると白けて枯れてたちまち地上から姿を消すこと
もそのような名が付けられた理由かもしれません。

この不吉な名前が付けられたことと、彼岸花には何の関係もありません。

土葬をしていた時代、モグラなどの野生動物が墓地を荒らすことがないように
全草に毒のあるヒガンバナが人の手によって植えられたようで、彼岸花の方が
墓地を気に入って、そこに多く自生しているというわけではないようです。

また田の畦や土手に多く見られるのは、根が地中に張って土手が強化される
ということから、これも人間の手によって植えられたものだと考えられます。

ヒガンバナは染色体が三倍体で不稔性が強く、種子をつくることはごく稀で
ほとんどは根によって増殖したもので、種が運ばれて広がることがないのです。




田の畔の土手の群生
ヒガンバナ1


かつては不吉なイメージが強かった彼岸花ですが、
最近は群生地に訪れる人も多く、観光資源となっているところもあります。
負の先入観をもたずに見れば、とても美しい花なので当然のことでしょう。


均整のとれた美しい花
ヒガンバナ4



朝露の水玉で飾られたヒガンバナ
ヒガンバナ3



ヒガンバナに止まって夜を明かし、
日が昇り体が温まるのを待つトンボ。
ヒガンバナ2



日が昇り、吸蜜にやってきたクロアゲハ
ヒガンバナ5




タマバシロヨメナ  

タマバシロヨメナ(玉葉白嫁菜) -キク科-


シロヨメナに似て、葉が幅広く、主に日本海側に分布し、
林下の薄暗いようなところを好んで自生します。
写真のようにしばしば群生するようです。
タマバシロヨメナ1


見事な大群生に遭遇し驚きと興奮で冷静に撮影できない私。
タマバシロヨメナ2


径2㎝ほどの小さめの頭花がかたまって咲きます。
タマバシロヨメナ3

ノコンギク  

ノコンギク(野紺菊) -キク科-


野菊の代表ともいえるノコンギク
里から大佐渡の尾根までどこでも見られます。
花の色はほとんど白いものから薄い紫、紫、
時にはピンクがかったものも見られます。
ノコンギク1


舌状花の形状も写真のように細長いものもあれば幅広いものも見られます。
ノコンギク4


冷え込んだ朝、露をまとった花は、えも言われぬ美しさがあります。
そんな写真が撮れたら飛び入りで紹介します。


ゴマナ  

ゴマナ(胡麻菜) -キク科-


胡麻の葉に似ていて、食べられる山菜なので胡麻菜。
サンゴクタチ、サワクキタチ、ヤマクキタチ(茎立ち)
と呼ばれ、若い芽を天ぷら、和え物、お浸しにします。
佐渡では山菜として採取する人はほとんどいません。


丈は1m以上にもなり、しばしば群生します。
ゴマナ3



頭花のひとつ一つは小さくても密集して咲くのでよく目立ちます。
ゴマナ2



近づいて見ればキク科の花であることがよくわかります。
ゴマナ1

マルバルコウ  

マルバルコウ(円葉縷紅) -ヒルガオ科-

葉が羽状に細裂するルコウソウに対して
葉が円いのでこの名があり、
マルバルコウソウということもあります。

共に熱帯アメリカ原産で観賞用として移入されました。
ルコウソウは未だに人間の手で育てられていますが
マルバルコウはすっかり野生化して秋の野辺を赤く染めています。

花の色はルコウソウが名まえの通り紅色(白やピンクの種もある)で
マルバルコウはオレンジ掛かった赤色です。


道路脇の畑を脅かす勢いで蔓延っていました。(後ろの山は金北山)
マルバルコウ4



観賞用として移入されたとあって、とても美しい花です。
マルバルコウ1



ところが、一旦野生化してしまうと、見向きもされなくなります。
マルバルコウ3



見た目にほとんど変わりないルコウソウとマルバルコウ
一方は今でも栽培して観賞され
他方はその逞しさ故、冷遇される。
厄介な雑草として嫌われたりもする。
野生化する前も後も変わらずこんなかわいい花を咲かせてきたのに・・・
マルバルコウ2



そんなことはお構いなしに、アゲハが蜜を吸いにやって来て
受粉のお手伝いをしています。
マルバルコウ5


ウメバチソウ  

ウメバチソウ(梅鉢草) -ニシキギ科-


梅に似た径2㎝ほどの白い花を咲かせます。
佐渡では大佐渡の尾根付近の芝草原やザレ場に自生します。
ウメバチソウ1



このように株になるものもあればぽつりぽつりと一輪ずつ咲くこともあります。
ウメバチソウ2




5本の雄しべのほかに先が糸状に12~22裂した仮雄しべがあり
その先に球状の黄色い腺体がついています。
ウメバチソウを観察する機会があったら
近づいて繊細な造形美をお楽しみください。
ウエバチソウ3


スズメウリ  


植物には動物の名が付けられたものが少なくありません。

ざっと頭に浮かぶものを列挙すると

イヌ・・・・・・・・・イヌザンショウ、イヌナズナ
クマ・・・・・・・・・クマイチゴ、クマツヅラ
ウシ・・・・・・・・・ウシハコベ、ウシノヒタイ(ミゾソバの別名)
ウマ・・・・・・・・・ウマゴヤシ、ウマノアシガタ
シシ・・・・・・・・・シシウド
トラ・・・・・・・・・オカトラノオ
タヌキ(ムジナ)・・・タヌキマメ、ムジナモ
キツネ・・・・・・・・キツネノカミソリ、キツネノマゴ
ネコ・・・・・・・・・ネコノメソウ、ネコノシタ(ハマグルマの別名)
イタチ・・・・・・・・イタチササゲ、イタチハギ
ヘビ・・・・・・・・・ヘビイチゴ、ヘビノボラズ
マムシ・・・・・・・・マムシグサ
カラス・・・・・・・・カラスノエンドウ、カラスビシャク
スズメ・・・・・・・・スズメノカタビラ、スズメノテッポウ
チドリ・・・・・・・・キソチドリ、ハクサンチドリ
カモメ・・・・・・・・カモメラン
サギ・・・・・・・・・ムラサキサギゴケ、サギソウ
キジ・・・・・・・・・キジムシロ
トキ・・・・・・・・・トキソウ
ホトトギス・・・・・・ホトトギス、トケンラン(トケン杜鵑はホトトギスのこと)
エビ・・・・・・・・・エビガライチゴ
ホタル・・・・・・・・ホタルブクロ、ホタルカズラ
トンボ・・・・・・・・トンボソウ、ミズトンボ
スズムシ・・・・・・・スズムシソウ、スズムシバナ
マツムシ・・・・・・・マツムシソウ
アリ・・・・・・・・・アリノトウグサ、ツルアリドオシなど
ノミ・・・・・・・・・ノミノフスマなど
ムカデ・・・・・・・・ジムカデ

書き上げてみて改めてその多さの驚いています。
では一番多く登場する動物は何でしょう?→答えは最後に書きます。


ここまでは、今日紹介する植物の前置きです。(少し長過ぎましたが)

今日はもちろん名前の中に動物がある植物です。



スズメウリ(雀瓜) -ウリ科-

スズメと名が付く植物は、小さいという意味が込められているようです。
これに対して大きいものにカラスを付けたものが二組あります。

カラスノエンドウ⇔スズメノエンドウ
カラスウリ⇔スズメウリ


カラスノエンドウとスズメノエンドウにはさらにカスマグサという植物があります。
実の大きさがカラスノエンドウより小さくスズメノエンドウより大きいので
カラスの「カ」とスズメの「ス」の間というこでカスマグサというわけです。


スズメウリのことに話を戻すと
カラスウリは花が7~10㎝、実は径5~7㎝、赤く色づいてよく目立つのに
スズメウリは花が7㎜ほど、実は径1~2㎝、緑(後に灰白色)で、
そこにあっても見落としてしまうほどです。

そんなスズメウリですが、可愛らしくて
見つけるとなんだかうれしくなります。


小さくてもちゃんと瓜の花の雰囲気を出しているスズメウリ
スズメウリ3




植物の撮影をしていると
いかにも「私を撮って!」とアピールしているような場面に出逢うことがあります。
この写真がまさにそのように感じて撮影したものです。
スズメウリ1




近くにはこんな場面も
スズメウリ2


そうして、花は咲いてないかと辺りを探し回って見つけて撮影したのが最初の写真です。



植物名に一番多く登場する動物はイヌ(犬,狗)です。
イヌが多い理由は、イヌに直接関係あるのではなくて
役に立たない、食べられないという理由でつけられているものがほとんどです。
最初に例を挙げたイヌザンショウ、イヌナズナのほかに
イヌタデ、イヌムギ、イヌホオズキなどが該当します。
犬にとっては不本意な命名ですね。
イヌノフグリ(犬の陰嚢)やエノコログサ(狗尾草)はイヌのからだの部分に似ていることが理由です。

動物の名が付く植物で検索すると
他にも、シカ、ブタ、ウサギ、ネズミ、カメ
ヒヨドリ、ウグイス、ツバメ、
ジガバチ、コオロギ、クモ、
サバ、ウナギ、タコなど
約一割の植物に動物の名が付くそうです。

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