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 写真だより 佐渡発&広島発

 野草や風景を写真で綴るブログです

節度と風情  

摘みとりて 見ればいよいよ 紫の
いろの澄みたる りんだうの花    [若山牧水]

野の花のりんだう家居の妻に摘む [森川暁水]

わが手に摘みし野の花の一輪ぞこれ[木戸夢郎]

これらの短歌や俳句には風情が感じられ、節度も詠みとれます。
今では、花は花屋などでお金を出して手に入れるものになりましたが
野に咲く花を摘んで、愛でたり、飾ったり、お墓に供えたりということを
昔は普通に行なっていました。今でもそうした習慣が残る所もあるでしょう。
野に花もたくさんあったし、摘む人にも節度があり、風情があったように思います。
盗掘したり、やみくもに摘んでしまう行為には節度も風情もあったものではありません。




エゾリンドウ

毎年、澄んだ青い花を咲かせている妙見山のエゾリンドウの一番大きな株が
根元からバッサリと切られていました。秋の彼岸の供え花にしたのでしょうか?
一株で50本ほど花をつけていたから、個人的にお供えするにしては多すぎる。
ご近所に分けてあげた?それは考えにくい。まさか、この花束がお金に見えた?
栽培の花だけでなく、稀に自生の草花が売られているのを見かけたことがあります。
そこには節度も風情の欠片もない。供えられた(飾られた)リンドウもうれしくあるまい。

株が残っているから来年も咲いてくれるといいのですが。なんとも心が痛い。





昨年撮影した同じ株。花束のような見事な株でした。
(リンドウは牧水が詠んだように紫の花、エゾリンドウは青い花をつけます)
エゾリンドウ2


はじめて佐渡を訪れた2008年、栗ヶ沢登山道の「縦池の清水」に着くと
お地蔵さんの花入れに一輪のシラネアオイが挿してありました。
貴重な植物を手折るとは何事か、と目くじらを立てる人もいるかもしれませんが
私はそのとき、ほほえましく思ったのです。なぜならそこに節度と風情を感じとったからです。
誤解のないように言っておきますが、どこでもこれをやってよいかと言うとそうではありません。

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カヤツリグサ  

偶然ですが、子どもの遊びが由来の花が続きます。
カヤツリグサの仲間を3種紹介します。

昔、この茎を引き裂いて蚊帳を吊ったような四角形を作る子どもの遊びがあった
ことから名付けられたのですが、私は蚊帳は経験していても、この遊びは知りません。
別名マスクサ(枡草)ともいうそうで、これもその形から付けられた名まえだそうです。
今では蚊帳も枡も使うことはなくなり、名まえの意味が分からなくなっていくのは
ちょっと淋しいですね。オダマキ苧環)やオサバグサ(葉草)、キジムシロ(雉
ハンショウヅル(半鐘蔓)なども実物を知らなければイメージできないと覚えにくいですね。

トレッキングガイドをしていても
同年代や、それ以上の方は、なるほどと納得されるのに
若い人に名の由来を説明してもピンと来ないことがあります。


さて、カヤツリグサに戻りましょう。

カヤツリグサ(蚊帳吊草) -カヤツリグサ科-

私は、この草を見ると蚊帳ではなく線香花火をイメージします。
葉を取り除き、茎を切って逆さまに持てば線香花火そのものだと思うのですが
いかがでしょう? 賛同される方は“拍手”をお願いします。
ただし、賛同の拍手か、それ以外の拍手か区別はできませんが・・・
カヤツリグサ



タマガヤツリ(玉蚊帳吊) 

小穂が短くて穂の全体が丸くなるので『タマ』の名があります。
これでは、線香花火はイメージできません。
タマガヤツリ



ヒメクグ漢字不明

茎の先に丸い栗のイガのような穂を一つだけつけます。
タマガヤツリは複数の穂を付けるので見分けは簡単です。
上の2種のように高くならず、地面近くを横に伸びます。
ヒメクグの葉をちぎって手でよく揉んで嗅ぐと甘い香りがします。
カヤツリグサの仲間はどれも厄介な雑草で、駆除には苦労しますが
ヒメクグを見つけたら、草取りの手を休めて嗅いでみてください。
草取りのちょっとした息抜きになるかもしれませんよ。
ヒメクグ


最初に、「偶然」子どもの遊びが名の由来の植物が続いたと書きましたが
意図的にこれまで撮りためたものから引っ張り出してきて並べたのではなく
赤飯(アカマンマ)も目弾き(メハジキ)も3種の蚊帳吊草(カヤツリグサ)も
同じ日に同じ草叢で撮影したものなのです。この草叢で、子どもたちが
目を輝かせながら草遊びをする姿を想像しながら撮影しました。
もっとも、今ではそんな遊びを知っている子どもはいないでしょうが・・・






メハジキ  

メハジキ(目弾き) -シソ科-

この面白い名前は、昔、子どもが茎を短く切り、
瞼に張って目を開かせて遊んだことからというのですが、
私はやったことないし、誰かがやっているのを見たこともありません。
植物の名まえにもなるくらいだから誰でもやっていたと思うのですが
一体いつごろまでそんな遊びをやっていたのでしょう。
メハジキ1

そう言えば、昨日のイヌタデも、昔、子どもがままごと遊びで
この花を赤飯に見立てたことから『あかまんま』の別名があります。
こちらは子どもの頃にやった覚えがあります。




葉の付き方が対生(同じところから2枚の葉が出る)で
90度ずつ、ずれて付く十字対生なのがよくわかります。
メハジキ2



花はシソ科特有の形をしています。こうしてアップで見ると、
色は違いますがオドリコソウに似ていますね。
メハジキ3


イヌタデ  

昨日に続いて「イヌ」の付く植物です。

イヌタデ(犬蓼)

秋はタデ科の花盛り。といっても地味な花が多く
それほど目立つわけではありません。
辛味があり刺身のつまにされるのはヤナギタデ
一方、イヌタデは辛みがなく役に立たないので
「イヌ」が付けられた。犬にとっては迷惑な話。
濃いピンクの花は小さくても、群生して目立ちます。
イヌタデ1


集団の中から、雰囲気のいい部分を切り取ります。
イヌタデ2


咲き始めのものは、穂先が尖っています。
イヌタデ3

木の実草の実③④  

木の実草の実シリーズ

今日はナス科の2種です。


③ホオズキ(鬼灯)

ほおずき市なんていうのもあるから
この実は誰でも知っていますね。
でも、探すとなると意外にないんですよね。
ここにはたくさんあってうれしくなりました。
特徴的な袋状の赤い部分は萼が発達したもの。
ホオズキ1


萼が末枯れると透けて赤い実が見えます。
ホオズキ2




④イヌホウズキ(犬鬼灯)

以前も書きましたが、
食べられないとか役に立たないものに「イヌ」がつけられるようです。
役に立たないけど、星形の萼が可愛いじゃないですか。
鬼灯の場合は、この萼が発達して袋状になっているわけですね。
イヌホオズキ

フォトエッセイが出来ました!  

お知らせ!

この度、フォトエッセイ
花結び ~野の花が繋いでくれた人~
を、上梓しました。

花結び
A4版 104ページ

野の花を撮り始めて35年、これまで出逢った野の花と
野の花を通して出逢った人との逸話を綴っています。


価格は2000円と少々高めですが、本の売り上げを
佐渡に移住した目的ともいえる佐渡の花の写真集
『佐渡の花に逢いにおいで』(仮題)の出版資金に
致しますので、皆様ご協力を宜しくお願いします。


ハマベノギクを撮りに行く5  

宿根木集落に到着しました。

雲は少なくなり秋晴れの良い天気に
宿根木集落


三連休の初日、でも観光客はまばら
はんぎり(たらい舟)の船頭さんとしばし会話
やっと一組(二人)のお客様が・・・
でも、午前中のお客様はこの一組だけ

宿根木を後にして帰ることにしました。
途中スーパーで弁当を買って車の中で食べているときに
こんないい天気なのにこのまま帰るのはもったいない、
折角遠くまで来たのだから、宿根木で夕景を撮影して帰ろう。
ということで、再び宿根木へ。

といってもまだ1時を過ぎたばかりなので
しばらく撮影することに


やっぱり植物に目が行きます。

海岸ではこれまで何度も見てきたハマエノコロ(浜狗尾)ですが
なかなか撮影したくなるものに出逢えなくてほとんど撮影してきませんでしたが
やっと、絵になるハマエノコロに出逢いました。
ハマエノコロ


宿根木の海岸にはこのような甌穴がたくさんあります。
甌穴


高波の名残りでこんな渦を巻いている場所がありました。
まるで台風の気象写真のようです。
渦


撮影をひと休みしてもう一度はんぎりの場所へ。
するとお客様がやってきました。
小木港の近くのたらい舟にもう乗ってきたという岐阜から来たご夫婦でしたが
「ここのたらい舟に乗らないと後悔しますよ」と言って乗っていただきました。

佐渡にはたらい舟に乗れる場所が3か所ありますが、外海まで出るのはここだけ
「乗って良かった!」の言葉に、勧めて良かったと思います。
はんぎり
乗っていただいたお礼というわけではありませんが、
私が宿根木集落をガイドして回りました。




日没が近づくにつれて、雲が出てきました。
夕暮れ1


間もなく日没です。
結局この後太陽はすっかり雲に隠れてしまいました。
夕暮れ2



夕焼けは期待できそうにないので
場所を変えて屏風岩をシルエットに撮影。
シルエット



日没後、水平線付近だけが色づいてくれました。
日没後



長い一日の最後は、このカットで締めました。
夕焼け


「ハマベノギクを撮りに行く」長い一日が終わりました。

ハマベノギクを撮りに行く4  

今回は、素浜海岸から宿根木に向かう途中に撮影した写真です。



コスモスと秋の空。
コスモス



万畳敷の海岸は、先日(8月5日UP)の鏡のような海面とは打って変わって
白波が立ち、海岸に下りることもできない状態でした。
万畳敷



ところがどうでしょう。そこから5分ほど車を走らせ
深浦まで来ると、深い入江ということもありますが
こんなにおとなしい感じになっていました。
深浦海岸



丁度、稲刈りの真っ最中で
ひと際高い稲架掛けがありました。
稲架掛け



間もなく宿根木に到着
続きはまた明日。

ハマベノギクを撮りに行く3  

波打ち際を歩いていると珍しい現象に出くわしました。

通常砂浜は水際から次第に高くなりますが、それが途中でこちらに向かって低くなっている場所があり、
砂浜に打ちあがった波が、時折そのピークを越えてこちら側に流れ込んできていたのです。
砂浜2


奥が海、黒っぽく見える部分が砂浜のピーク。
越えた波は、次第に砂に吸い込まれ、それが消えていく束の間
鏡のように空と雲を映し出したのです。
砂浜1



撮影を楽しんでいると、自分の影が砂浜に映り、撮影の邪魔をします。
それならいっそのこと影を映してやろうと思い、影遊びをしてみました。
遊びといっても、タイミングを計るのが難しく撮影には結構苦労しています。
影遊び


試行錯誤しながらかなりの枚数を撮影していました。
影遊び2




素浜海岸での撮影を切り上げ、折角ここまで来たので宿根木まで足を延ばすことにしました。


続きはまた明日。

ハマベノギクを撮りに行く2  

ハマベノギクは丁度見ごろを迎えていました。

ハマベノギク(浜辺野菊) -キク科- 

素浜海岸ではこんなふうに咲いています。
日が射すとこの淡紫色が出ないので早起きしてきた甲斐がありました。
ハマベノギク4


ハマベノギク3


頭花は野菊の中では大振りです。
開花のピークはまだ先のようですが
枯れたものがない今が撮影のGood timing !
ハマベノギク1


数は多くないですが白花もあります。
仲良く並んで「撮って!」と声を掛けられました。
ハマベノギク2



砂浜に打ち寄せる波を撮影しようと波打ち際に行ってみました。

続きはまた明日。

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