fc2ブログ

 写真だより 佐渡発&広島発

 野草や風景を写真で綴るブログです

カタクリの七変化  

ショウジョウバカマの七変化に続き
今日はカタクリの七変化をご覧ください。


きれいに並んだ一塊のカタクリがありました。
野草の撮影では、絵になる被写体を見つける
目を養うことが大切です。
いくら良い撮影ポジションがあったからといっても
そこが立ち入ってよい場所かどうかの判断も重要です。
花に限らずアマチュアカメラマンの少なからずが
被写体の見極めをよく吟味することなく撮影に取り掛かり
その結果、立ち入ってはダメな場所へ侵入することがあるのです。
特に野草の撮影では、無闇に登山道から外れる行為は厳に慎むべきです。
カタクリ3

話は逸れますが、
2016年2月、北海道の美瑛町にある一本のポプラの木、通称「哲学の木」が倒されました。
開けた畑の真ん中に一本だけ立ち、地面の傾斜とは反対方向に傾いて生えていたポプラの木。
その姿が哲学的ということで哲学の木と名付けられ、多くの人が訪れる観光名所となっていました。
しかし、哲学の木周辺は農作物を育てている畑。立ち入り禁止の標識があるにも関わらず
、畑に侵入して撮影する観光客が後を絶たない状況が続きました。
さらには、停めてあるトラクターに乗り込むなど、マナー違反が相次いでいたそうです。
農家の方にとって大切な畑を荒らされることは、何よりも耐えがたいことです。
苦悩の末、哲学の木にペンキで×印を描くなど対策をしていましたが、マナー違反はなくなりませんでした。
そして、24日。悲しいことに哲学の木は地主さんによって倒されてしまったのです。
このような哀しい出来事は、枚挙にいとまがありません。
カメラマンに何かの特権があるかのような勘違いをしないことが大切です。




話をカタクリに戻します。

ここは、広角レンズで環境を撮り込んだ方が
いいと考え、レンズ交換して同じ場所で撮影。
咲いている環境が撮り込めたこちらの方が
いいような感じがします。
花の右側の奥に続く窪みが登山道です。
カタクリ7




葉に斑が入らないのが佐渡のカタクリの特徴です。
色の濃い個体を見つけたので、
後ろのカタクリが分かる程度に絞って撮影しました。
カタクリ8




仲良く並んだ3人娘を見つけました。
真ん中に焦点を合わせています。
カタクリ6




手前のカタクリを大きくぼかすため、絞り開放で撮影。
ピントは雌しべの先に合わせています。
カタクリ4




同じく絞り開放で撮影しています。
カメラ位置を数ミリ動だけで印象がかわるので
ミリ単位でのカメラ位置の調整と
絞りもミリ単位、更に厳密にいえば
花の蕊のどこの部分に焦点を合わすかを
吟味して決定しなければなりません。
カタクリ1




最後は、カタクリの蕾。
オオミスミソウとのコラボです。
こういう被写体を見つけると
つい嬉しくなって、舞い上がりますが
二兎を追うものは一兎をも得ず
の結果になりがちです。
カタクリを主役オオミスミソウを脇役に
して撮影しています。
カタクリ5



もののふの 八十娘子らが 汲みまがふ 寺井の上の かたかごの花   【大伴家持】
(現代語訳:たくさんの乙女たちが入り乱れて水を汲む、寺の井戸のほとりに咲く可憐なカタクリの花よ)

集まって賑やかに水をくむ娘たちのようすを可憐なカタクリの花に託して読んだ大伴家持の歌です。

佐渡の山には賑やかすぎるほどのカタクリが咲き乱れていますが
今年は、山もひっそりとしています。来年も、その次も咲きますから
新型コロナウィルス感染症が収まってから逢いに来てください。




明日は何の七変化でしょう?お楽しみに!
スポンサーサイト



コメント
コメントの投稿
Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://9987dayori.blog.fc2.com/tb.php/1765-42e40542
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

▲Page top